なぜ新規客が集まらないのか? 効率的な営業戦略について

【2010年11月17日-2号 担当:笠島】

◆あなたの会社が選ばれないのはなぜか



新規客があなたの店を選ばないのには、ある決定的な一つの理由が
あります。

それは商品力ではない。また、価格でもなければ、接客やサービス
でもありません。

あなたの店がどんなに素晴しい商品、魅力的な価格、最高の接客を
しても新規客があなたの店を選ばないのには理由があるのです。

それは、あなたの店を選ぶ、理由がお客様にはわからないからです。


◆新規集客に商品力は無関係



驚くべきことに、新規客をつかむことを考えた場合、あなたの店の
商品力は関係がありません。

なぜなら、あなたの商品のすばらしさは、店を利用した後にしか
判断できないからです。

新規客が店を選ぶ根拠は、「この店は、多分おいしいだろう」という
予測に基づくものでしかありません。

美容院を選ぶときも、「たぶん、カットが上手いだろう」という
期待感からでしかないのです。

だから、新規客をつかむのに、商品そのものはほとんど関係ない
と言っていいでしょう。

お客様は、その商品を体験しないまま、期待感からだけで店を
選択しているからです。



だとすると、新規客をつかむには、
その魅力をいかに「伝えるか」にかかっています。

事実、あなたの店の料理は、他の店のよりおいしいかもしれません。

であれば、そのおいしい理由と根拠をお客様に伝えなければ
なりません。接客についてもそうです。

どの飲食店も、味には自信があってネタは新鮮だと言っています。
そんなことは消費者からしてみれば当たり前のことです。


だから、なぜおいしいのかという理由を説明する必要があるのです。


もちろんこれは、飲食店に限ったことではありません。
すべての商売に共通して言えることです。


「カット4200円」―これだけで、はたしてよその店との違いが
わかるでしょうか?

「うちの店はカットが上手いです」
「うちの店のパーマは髪が痛みません」

など、どの美容室でも言っていることです。


そうではなく、
「そのカットがどううまいのか?」
「なぜ痛まないのか?」

というその違いをお客様に伝える必要があるのです。

ところが、多くの店がそれを伝えていません。
広告物のほとんどが、商品名と金額だけ。

それだけで、お客様に違いが分かるはずがないのです。

どこでも同じだと感じてしまう。

だから、同じような商品であれば、お客様は価格で選ぶのです。

だから、安い店にお客が集まるのです。
でもこれは違いがわからなかったからです。

しかし、すべてのお客様が安い商品を探しているわけではありません。
多くのお客様は素晴しい商品を探しているのです。


「最近は、割引をしないとお客様が集まらなくて・・・」
という話をよく聞きます。

しかし、実態はそうではありません。

お客様は価格だけでは判断しません。
ところが、売り手が一方的に安さだけを訴求して集客しているのです。


その結果、価格だけで判断するお客様が集まるようになってしまうのです。

だから、新規客をつかむには、
「なぜ、あなたはこの店を選ばなければいけないのか?」
という理由を真剣に考えて、お客様にそれを伝える必要があるのです。


お客様にそれが伝わらなければ、同業店の中からあなたの店を
選ぶ理由はありません。


チラシやホームページなどを作成する際、多くの店が陥りがちな
間違いがあります。

「うちは、若い方でもお年寄りでも、男性でも女性でも、
どんな方にも満足いただけます」とやってしまうことです。

しかし、
「誰でもいいですよ」という広告には誰も反応しません。

あなたの店は、すべての商品がすばらしいのかもしれない。
しかし、そんな伝え方をしてはいけません。

たとえば、あなたがひどい風邪をひいて40度を超える高熱が
あったとします。

しかし、どうしても明日までに治さなければならない。

ではあなたが選択する薬はどちらだろう?
1.誰にでも何にでも効く薬
2.40度の高熱を、10時間以内に抑えたい人にだけ効く薬

あなたは「2」を選んだでしょう。
そこに商売のヒントが隠されているのです。


◆売り込む商品や売りたい相手を絞り込もう



つまり、売り込む商品や売りたい相手を絞り込むと需要が高まる
ということです。

たとえば、簡単機能で使いやすい携帯電話の広告を考えてみましょう。

「どんな人にも使いやすい携帯電話です」
といわれるよりも、

「この携帯電話は、60歳代以降の方のために開発されました。
カメラやメールなどのムダな機能を一切なくし、ただ電話をかける
だけの簡単な機能しかありません。

また、高齢者の聞き取りにくい音をフォローする骨伝達機能も
内蔵されています。

相手の小さな声もはっきりと聞き取って会話をスムーズに楽しむ
ことができます。」

と言われたほうが、
「誰に」、「何を」すすめているのかが明確にわかるはずです。


◆ユニクロの戦略



ユニクロもそうです。
ユニクロにはファッションに関するあらゆるものが並べられています。

しかし、ユニクロが急成長を遂げた当時、
「何でもあります。揃います」という宣伝はほとんどおこなっていません。

宣伝の多くを「フリース」一本に絞って行なっていました。

ユニクロのフリースがあの価格で、

・いかに素材が素晴しいのか
・いかに品揃えが豊富なのか
・いかにたくさんの色を揃えているのか

に絞ってPRしたのです。

つまり、
他店との違いを「フリース」に絞り込んで宣伝したのです。

では、フリースに興味を示さなかったお客様はユニクロを
あきらめたのか?

もちろんそんなことはありません。

次に投入したのが、「エアテック」でした。

ユニクロのエアテックがこの価格で、
・いかに素材が素晴しいのか
・いかに品揃えが豊富なのか
・いかにたくさんの色を揃えているのか

に絞ってPRしたのです。

すると今度は、フリースには興味がないが、エアテックに興味がある
お客様が集まり始めたのです。

このように、ユニクロは季節によって
「フリース」、「Tシャツ」、「ジーパン」
と打ち出す商品を変えながら単品でPRしています。

そして、その商品に興味があるお客様を次々に集めています。



あなたの店は、すべての商品が素晴しいかもしれません。
しかし、そんな伝え方をしてはいけません。

まずは、あなたの店の「最高の強み」を告知します。

そして、その商品に興味があるお客様を集めていくのです。



もし、美容室であれば、
「当店は、どんな人にでも上手にカットします」では反応はありません。

しかし、
「当店は、20代の女性で、オフィスで働いていてエアコンで髪が
ぱさついている方のボリュームを抑えるカットに自信があります。
それは・・・」

とすると、

この条件に当てはまるお客様が「私のことだ」と共感するのです。
そして、共感したお客様がこの店に集まることになるのです。

このようなお客様をある程度集めてしまえば、次はメッセージを
変えるのです。


「美容院ではうまくいくのに、自宅に帰って自分でセットすると
うまくいかない。そんな方が手軽に再現できるスタイリングに
自信があります。それは・・・」

とすると、このメッセージに共感したお客様が集まるのです。

このようなPRをチラシやホームページに載せ、色々な角度から
集客していけばよいのです。


お客様が何に興味があるかなど、店にはわかりません。

であれば、定期的にメッセージを変えていく必要があるのです。

もし、反応がなかった場合は広告を止めればいいだけです。
反応がなかったことが分かったことが収穫なのです。

これを繰り返していけば、あなたの店のチラシやホームページは
最高の反応が出せるようになるはずです。



では「商品」を絞り込むと、その対象となった人しか集客できない
のだろうか。

「40歳からの化粧品」という商品がCMで流れています。
この商品を購入しているのは40歳以上の女性だけなのでしょうか?

そうではありません。もちろん、最も多く買っているのは40代
ですが、それ以下の30代や20代の女性も買っているといいます。

なぜか?

テレビで取材されていた20代の女性は、インタビューにこう
答えていました。

「40歳以上の女性に効くんだったら、20代の私にはもっと
効きそうな気がして・・・」

なるほど、このように対象を絞ることによって、その対象から
外れた消費者からの反応がアップするケースもあるのです。

あなたの店のチラシやホームページは「どんなお客様でもいいですよ」、
「すべての商品がおすすめですよ」となっていませんか?

それではお客様は「他店との違い」はわかりません。
わからなければ、あなたの店を選ぶ理由は生まれません。


「あなたの店を選ばなければいけない理由」
このメッセージを、商品や対象を絞って発信していくのです。

すると他店との違いが明確になってきます。
これができれば、あなたの店にも行列ができはじめることでしょう。


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